漢方薬の普及

患者も医療関係者も、安全で有効な薬を求めています。それは情報化時代の今、インターネットなどを通じて薬の情報を簡単に入手する事が出来るようになったことが理由の一つです。効用や副作用について知ることが出来るようになってきたのです。そして、人々はより安全な薬を使いたいと願うようになり、漢方薬への注目が高まっているのです。

漢方薬のいろいろ

そこへ医療用漢方製剤が登場したことにより、漢方薬が広く普及するようになったのです。医療用漢方製剤とは、生薬を煎じて濃縮・乾燥する事で煎じる手間を省き簡単に飲めるようにしたものです。携帯にも便利なことも普及に拍車をかけました。生薬には虫がついたりカビが生えたりしやすいのですが、医療用漢方製剤ではこの品質の問題も解消しました。

そして、健康保険で医療用漢方製剤が使えるようになりました。この事によって、多くの患者が漢方薬で治療を受けることが出来るようになりました。これも普及を進めた一要因です。

漢方薬を実際に飲むことと、その楽しみ

漢方薬に限らず、薬は水なしで飲むと溶けるのに時間がかかり、効果が現れるのも遅くなるため、必ずコップ1杯の水と一緒に飲みます。また、水なしで飲むと胃があれることもあります。

漢方薬を白湯に溶かして飲む婦人

より効果的な方法は、コップ一杯の白湯に溶かしてから飲むことです。内服薬は飲んだ後に消化管から吸収して効果を表すため、水と共に飲むこともいいのですが、白湯に溶かして飲むほうが、漢方薬がより早く吸収され、より早く症状を改善してくれます。

また、白湯に溶かして飲むことで、味や香りを十分に楽しむことができます。そもそも、漢方薬は本来、生薬を煎じて飲んでいたのです。漢方エキス製剤は生薬を煎じた液を濃縮して乾燥させたものであるため、これを白湯に溶かして飲むことで、昔の人が飲んでいた本来そのままの形で飲むことが出来るのです。コップ一杯の白湯に漢方製剤を溶かして、味や香りを楽しみながら飲むのは、西洋薬にはない漢方薬にだけ許された楽しみという事も出来ます。これが刺激となって、薬の効果を高めることもあるのです。