日本では西洋薬と漢方薬を合わせて処方できる

漢方薬は、一人一人の個人差、つまり体質や病気の状態を見極めた上で配合され、使い分けられます。分かりやすく言えばオーダーメイドの治療なのです。このため、同じ病名で診断された患者が、状態によって飲む薬が違う事があります。これを同病異治といいます。これとは逆に、一種類の漢方薬が色々な病気に応用されることがあります。これを異病同治といいます。

上述の通り、漢方薬は研究と体験に基づき理論体系が構築されたものですが、近年では科学的な見地に立った研究も進んだため、漢方薬を用いる医者も増えてきています。さらに、漢方薬は、西洋医学では対処が難しい半健康状態や慢性疾患に至るまで、様々な症状に対応することができます。この事が多くの医者に認められ、広くつかわれるようになってきているのです。その事から科学的な研究も日進月歩です。

漢方の見立てをするイメージ

この事実は西洋医学からも認められるようになってきています。日本で漢方薬を処方するのは西洋医学を学んだ医者であるため、西洋医学と漢方医学の両面からみて、その人に合った薬を処方します。これは世界的に見てもまれなことなのです。漢方薬と西洋薬が一緒に処方されることで、より幅広い治療が可能になります。

現在、約150種の漢方薬が健康保険で使われるようになってきており、漢方薬が身近なものとなりました。病院で漢方薬が処方されるケースも増えてきているのです。漢方外来を設ける施設も増えてきています。